と、そう云いながら、もう一遍ぎゅっと抱きしめると、珍しいことにリリーはじっと大人しくして、いつまでも抱かれているのであったが、その、物も云わずに唯悲しそうな眼つきをしている年老いた猫の胸の中が、今の彼女には不思議なくらいはっきり見透せるのであった。
「お前、きっとお腹減ってるやろけど、今夜はもう遅いよってにな。
―――台所捜したら何なとあるやろ思うけど、ま、仕方ない、此処わての家と違うよってに、明日の朝まで待ちなされや。
と、そう云いながら、もう一遍ぎゅっと抱きしめると、珍しいことにリリーはじっと大人しくして、いつまでも抱かれているのであったが、その、物も云わずに唯悲しそうな眼つきをしている年老いた猫の胸の中が、今の彼女には不思議なくらいはっきり見透せるのであった。
「お前、きっとお腹減ってるやろけど、今夜はもう遅いよってにな。
―――台所捜したら何なとあるやろ思うけど、ま、仕方ない、此処わての家と違うよってに、明日の朝まで待ちなされや。