彼女はリリーの冷めたく濡れた鼻のあたまと、へんにぷよぷよした蹠の肉とを胸の上に感じると、全く初めての出来事なので、奇妙のような、嬉しいような心地がして、真っ暗な中で手さぐりしながら頸のあたりを撫でてやった。
するとリリーは一層大きくゴロゴロ云い出して、ときどき、突然人差指の先へ、きゅッと噛み着いて歯型を附けるのであったが、まだそんなことをされた経験のない彼女にも、それが異常な興奮と喜びの余りのしぐさであることが分るのであった。
その明くる日から、リリーはすっかり品子と仲好しになってしまって、心から信頼している様子が見え、もう牛乳でも、花鰹節の御飯でも、何でもおいしそうに食べた。