うわべは同情が寄るように、なるべく哀れっぽいところを見せて、心の中では、どうしてももう一遍だけ彼処の家へ戻ってやる、今に見ていろと思いもし、又その思いがいつかは遂げられるだろうと云う望みに生きてもいるのだった。
それに、品子は、庄造のことをたよりない人とは思うけれども、どう云うものか憎むことが出来なかった。
あんな工合に、何の分別もなくふらふらしていて、周りの人達が右と云えば右を向き、左と云えば左を向くと云う風だから、今度にしてもあの連中のいいようにされているのであろうが、それを考えると、子供を一人歩きさせているような、心許ない、可哀そうな感じがするのである。