品子はこんなふしだらではなかった、こう云う時にああもしてくれた、こうもしてくれたと、庄造ばかりでなく、母親までがきっと自分の失策を認めて、後悔するのだ。
あの女は又あの女で、さんざんあの家を掻き廻した揚句の果てに、飛び出してしまうのが落ちなのだ。
そうなることは今から明々白々で、太鼓判を捺してやりたいくらいであるのに、それが分らないとは憐れな人達もあればあるものよと、内心せせら笑いながら時機を待つ積りでいるのだが、しかし用心深い彼女は、待つにつけてはリリーを預かっておくと云う一策を考えついたのであった。