この罪のない、やさしい一匹の獣をさえ愛することが出来ないような女だからこそ、夫に嫌われたのではないか。
自分にそう云う欠点があったからこそ、ハタの人間が附け込んだのではないか。
十一月になると、朝夕の寒さがめっきり加わって、夜はときどき六甲の方から吹きおろす風が、戸の隙間から冷え冷えと沁み込むようになって来たので、品子とリリーとは前よりも一層喰っ着いて、ひしと抱き合って、ふるえながら寝た。
この罪のない、やさしい一匹の獣をさえ愛することが出来ないような女だからこそ、夫に嫌われたのではないか。
自分にそう云う欠点があったからこそ、ハタの人間が附け込んだのではないか。
十一月になると、朝夕の寒さがめっきり加わって、夜はときどき六甲の方から吹きおろす風が、戸の隙間から冷え冷えと沁み込むようになって来たので、品子とリリーとは前よりも一層喰っ着いて、ひしと抱き合って、ふるえながら寝た。