母はあんなことを云っているけれど、きっと自分が洗ってやる気に違いないので、尚更庄造は腹の虫が納まらなかった。
そして着物も着換えずに、厚司姿のまま土間の板草履を突っかけると、ぷいと自転車へ飛び乗って、出かけてしまった。
さっき球撞きに行きたいと云ったのは、ほんとうにそのつもりだったのであるが、今の一件で急に胸がムシャクシャして来て、球なんかどうでもよくなったので、何と云うアテもなしに、ベルをやけに鳴らしながら蘆屋川沿いの遊歩道を真っすぐ新国道へ上ると、つい業平橋を渡って、ハンドルを神戸の方へ向けた。