福子はおりおり親父の所へお小遣いをセビリに行くのだが、それが大体一と月に二度、お朔日前後と十五日前後とにきまっていて、行けば必ず夕飯を呼ばれ、早くて八九時頃に帰るのが例であるから、今日も今から三四時間は自由が楽しまれるのであって、もし自分さえ飢えと寒さに堪える覚悟なら、あの裏の空地に、少くとも二時間は立っている余裕があるのである。
だからリリーが晩飯の後でぶらつきに出かける習慣を、今も改めないでいるものとすれば、ひょっとしたら彼処で会えるかも知れない。
そう云えばリリーは、食後に草の生えている所へ行って、青い葉を食べる癖があるので、尚更あの空地は有望な訳だ。