いったい今日は面白くないことがあったのでアテもなく外へ飛び出したら、足が自然に西の方へ向いたばかりでなく、塚本なんぞに出遭ったものだから、とうとう途中で決心をして、此処まで延してしまったのだが、こうなることと分っていたら外套を着て来ればよかったのに、厚司の下に毛糸のシャツを着込んだだけでは、流石に寒さが身に沁みる。
庄造は肩をぞくッとさせて、星がいちめんに輝き始めた夜空を仰いだ。
板草履を穿いた足に冷めたい草の葉が触れるので、ふと気が付いて、帽子だの肩だのを撫でてみると、夥しい露が降りている。
いったい今日は面白くないことがあったのでアテもなく外へ飛び出したら、足が自然に西の方へ向いたばかりでなく、塚本なんぞに出遭ったものだから、とうとう途中で決心をして、此処まで延してしまったのだが、こうなることと分っていたら外套を着て来ればよかったのに、厚司の下に毛糸のシャツを着込んだだけでは、流石に寒さが身に沁みる。
庄造は肩をぞくッとさせて、星がいちめんに輝き始めた夜空を仰いだ。
板草履を穿いた足に冷めたい草の葉が触れるので、ふと気が付いて、帽子だの肩だのを撫でてみると、夥しい露が降りている。