のみならずこの四畳半の室内に、鏡台だの、箪笥だの、裁縫の道具だの、猫の食器だの、便器だの、さまざまなものを並べて置きながら、それらが一糸乱れずに、それぞれ整然と片寄せられて、鏝の突き刺してある火鉢の中を覗いてみても、炭火を深くいけ込んだ上に、灰が綺麗に筋目を立ててならしてあり、三徳の上に載せてある瀬戸引の薬鑵までが、研ぎ立てたようにピカピカ光っているのである。
が、それはまあ不思議はないとしても、奇妙なのはあの皿に残っている卵の殻だった。
彼女は自分で食い扶持を稼いでいるので、決して楽ではないであろうに、貧しい中でもリリーに滋養分を与えると見える。