谷崎潤一郎 『文壇昔ばなし』 めったに上り込んで座敷へ通ることはなかった。 私の方からも西片町の彼の家をしばしば訪ねた覚えはあるが、彼は決してお上り下さいとはいわなかった。 玄関の板の間に座布団を出して私を坐らせ、自分は畳の方にいて、通せん坊をするように膝を乗り出して話を聞く。 谷崎潤一郎の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア