但し上山草人の正妻であった山川浦路の妹で、後に女優になって夭折した上山珊瑚、――彼女には大分思召があったらしい。
あるいはただの関係ではなかったかも知れない。
雑誌『中外』の社長内藤民治氏が出資して草人夫婦を渡米させた時、出帆間際まで内藤氏の金が届かないので草人が大騒ぎをしたいきさつは、「上山草人のこと」に書いてあるから省略するが、その時浦路に泣き着かれて樗陰が五百金を投げ出したのは、珊瑚のことが意中にあったからかも知れない。
但し上山草人の正妻であった山川浦路の妹で、後に女優になって夭折した上山珊瑚、――彼女には大分思召があったらしい。
あるいはただの関係ではなかったかも知れない。
雑誌『中外』の社長内藤民治氏が出資して草人夫婦を渡米させた時、出帆間際まで内藤氏の金が届かないので草人が大騒ぎをしたいきさつは、「上山草人のこと」に書いてあるから省略するが、その時浦路に泣き着かれて樗陰が五百金を投げ出したのは、珊瑚のことが意中にあったからかも知れない。