あるいはただの関係ではなかったかも知れない。
雑誌『中外』の社長内藤民治氏が出資して草人夫婦を渡米させた時、出帆間際まで内藤氏の金が届かないので草人が大騒ぎをしたいきさつは、「上山草人のこと」に書いてあるから省略するが、その時浦路に泣き着かれて樗陰が五百金を投げ出したのは、珊瑚のことが意中にあったからかも知れない。
というのは、手の早い草人は珊瑚にもチョッカイを出していたので、夫婦をアメリカへ立たせてしまえば、珊瑚を自由になし得るという腹であったかとも思える。
あるいはただの関係ではなかったかも知れない。
雑誌『中外』の社長内藤民治氏が出資して草人夫婦を渡米させた時、出帆間際まで内藤氏の金が届かないので草人が大騒ぎをしたいきさつは、「上山草人のこと」に書いてあるから省略するが、その時浦路に泣き着かれて樗陰が五百金を投げ出したのは、珊瑚のことが意中にあったからかも知れない。
というのは、手の早い草人は珊瑚にもチョッカイを出していたので、夫婦をアメリカへ立たせてしまえば、珊瑚を自由になし得るという腹であったかとも思える。