恋の歓楽の壺の中に秘められた甘露の、汲めども/\尽きざる美味が、滾々と流れ出て、不思議にも、今迄体中に充ち充ちて居た恐怖は、拭ふが如くに忘れられる。
「あなたが其の手で始終触つてさへ居てくれゝば、私はこのまゝ生きて居られる。
其の手の味はひより外に、私の生を充実させるものはないのだから。
恋の歓楽の壺の中に秘められた甘露の、汲めども/\尽きざる美味が、滾々と流れ出て、不思議にも、今迄体中に充ち充ちて居た恐怖は、拭ふが如くに忘れられる。
「あなたが其の手で始終触つてさへ居てくれゝば、私はこのまゝ生きて居られる。
其の手の味はひより外に、私の生を充実させるものはないのだから。