よんどころなく、彼は台所のガラス障子を破ってはいり、階段を駈け上って、声のする部屋と思われる方へ走って行った。
と、その部屋の襖が一枚外れて、三尺ばかり開いていたので、覗き込もうとすると、中からいきなり狼のような巨大な犬が「ウー」と呻って飛び着いて来たので、馬方は「あっ」といったまま、仰天して後ろへ退った。
とたんに彼は、誰か室内に居る男が、「エス!
よんどころなく、彼は台所のガラス障子を破ってはいり、階段を駈け上って、声のする部屋と思われる方へ走って行った。
と、その部屋の襖が一枚外れて、三尺ばかり開いていたので、覗き込もうとすると、中からいきなり狼のような巨大な犬が「ウー」と呻って飛び着いて来たので、馬方は「あっ」といったまま、仰天して後ろへ退った。
とたんに彼は、誰か室内に居る男が、「エス!