例へば恒川と萬龍夫人の結婚のいきさつを朝日新聞に漏洩したのは、岡本一平君の所為であるかの如く記したが、其後かの子夫人よりの来翰に接し、あれは当時恒川自身が朝日の記者に語つたのであることを知り、長い間一平君に疑ひをかけてゐたのを済まなく思つてゐるやうな次第である。
カフェエ・プランタンに於ける小山内君と吉井君との争論も、吉井君の話を聞くと、其頃そんなことはたびたびであつたけれども、プランタンでさう云ふ事件を惹き起した覚えはないと云ふ。
その外誤謬を指摘して下さる方があれば、作者はいつでも取り消し或は訂正するのに吝でない。