すると、また、それから一週間とたたないある朝の事である。
その日は前夜から雪が降りつづけて、窓の外にさし出ている雨天体操場の屋根などは、一面にもう瓦の色が見えなくなってしまったが、それでも教室の中にはストオヴが、赤々と石炭の火を燃え立たせて、窓硝子につもる雪さえ、うす青い反射の光を漂わす暇もなく、溶けて行った。
そのストオヴの前に椅子を据えながら、毛利先生は例の通り、金切声をふりしぼって、熱心にチョイス・リイダアの中にあるサアム・オヴ・ライフを教えていたが、勿論誰も真面目になって、耳を傾けている生徒はない。