文豪用例帳

作家別 名言・名文

芥川龍之介の名言・名文

芥川龍之介は、短編小説に自らの技を集めた作家である。東京に生まれ、東京帝国大学で英文学を学んだ。古典や説話に材をとり、そこに近代人の心理を彫り込んだ。『羅生門』『鼻』『藪の中』などで知られる。

一つの事件が語り手ごとに食い違う『藪の中』のように、人がいかに自分の都合で世界を見るかを冷静に描いた。晩年は不安に苛まれ、一九二七年、三十五歳で自ら命を絶った。芥川賞はその名にちなむ。

芥川龍之介 1892–1927
短編小説の名手として知られ、古典や説話を題材に人間心理を鋭く描いた。代表作に『羅生門』『鼻』『藪の中』など。芥川賞はその名にちなむ。

名言・名文

由来最大の臆病者ほど最大の勇者に見えるものはない。芥川龍之介『侏儒の言葉』 好人物は何よりも先に天上の神に似たものである。芥川龍之介『侏儒の言葉』 さびしい花が日の暮を待つように咲いている、真夏の胡麻畑である。芥川龍之介『首が落ちた話』 いや、我我の自己欺瞞は一たび恋愛に陥ったが最後、最も完全に行われるのである。芥川龍之介『侏儒の言葉』 つまりあらゆる情熱は死よりも強いものなのであろう。芥川龍之介『侏儒の言葉』 最も幸福な芸術家は晩年に名声を得る芸術家である。芥川龍之介『侏儒の言葉』 半ばは自由意志を信じ、半ばは宿命を信ずべきである。芥川龍之介『侏儒の言葉』 お伽噺しか知らない読者は、悲しい蟹の運命に同情の涙を落すかも知れない。芥川龍之介『猿蟹合戦』 何故と云へば、或意味で自分も亦、孤独地獄に苦しめられてゐる一人だからである。芥川龍之介『孤独地獄』 それは彼の謙遜の中に死後に勝ち誇る彼の希望(或は彼の虚栄心)の一つに溶け合つた言葉である。芥川龍之介『続西方の人』 僕の今住んでゐるのは氷のやうに透み渡つた、病的な神経の世界である。芥川龍之介『或旧友へ送る手記』 人生は一箱のマッチに似ている。重大に扱うのは莫迦莫迦しい。重大に扱わなければ危険である。芥川龍之介『侏儒の言葉』