芥川龍之介 『貉』 そんな事が、何度か続いたある夜の事である。 男は、屏風のような岩のかげに蹲りながら、待っている間のさびしさをまぎらせるつもりで、高らかに唄を歌った。 沸き返る浪の音に消されるなと、いらだたしい思いを塩からい喉にあつめて、一生懸命に歌ったのである。 芥川龍之介の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア