が、外はうすい月と浪の音ばかりで、男の姿はどこにもない。
娘は暫くあたりを見廻していたが、突然つめたい春の夜風にでも吹かれたように、頬をおさえながら、立ちすくんでしまった。
戸の前の砂の上に、点々として貉の足跡のついているのが、その時朧げに見えたからであろう。
が、外はうすい月と浪の音ばかりで、男の姿はどこにもない。
娘は暫くあたりを見廻していたが、突然つめたい春の夜風にでも吹かれたように、頬をおさえながら、立ちすくんでしまった。
戸の前の砂の上に、点々として貉の足跡のついているのが、その時朧げに見えたからであろう。