その淋しい路ばたに、風車売りの荷が一台、忘れられたように置いてあった。
ちょうど風の強い曇天だったから、荷に挿した色紙の風車が、皆目まぐるしく廻っている。
――千枝子はそう云う景色だけでも、何故か心細い気がしたそうだが、通りがかりにふと眼をやると、赤帽をかぶった男が一人、後向きにそこへしゃがんでいた。
その淋しい路ばたに、風車売りの荷が一台、忘れられたように置いてあった。
ちょうど風の強い曇天だったから、荷に挿した色紙の風車が、皆目まぐるしく廻っている。
――千枝子はそう云う景色だけでも、何故か心細い気がしたそうだが、通りがかりにふと眼をやると、赤帽をかぶった男が一人、後向きにそこへしゃがんでいた。