が、その外は何処を見ても、装飾らしい家具の類なぞは何一つ見当らなかつた。
少女はそれにも関らず、西瓜の種を噛みやめては、時々涼しい眼を挙げて、卓の一方に面した壁をぢつと眺めやる事があつた。
見ると成程その壁には、すぐ鼻の先の折れ釘に、小さな真鍮の十字架がつつましやかに懸つてゐた。
が、その外は何処を見ても、装飾らしい家具の類なぞは何一つ見当らなかつた。
少女はそれにも関らず、西瓜の種を噛みやめては、時々涼しい眼を挙げて、卓の一方に面した壁をぢつと眺めやる事があつた。
見ると成程その壁には、すぐ鼻の先の折れ釘に、小さな真鍮の十字架がつつましやかに懸つてゐた。