その途端にどう云ふ拍子か、釘に懸つてゐた十字架がはづれて、かすかな金属の音を立てながら、足もとの敷石の上に落ちた。
彼女は慌しい手を延べて、大切な十字架を拾ひ上げた。
その時何気なく十字架に彫られた、受難の基督の顔を見ると、不思議にもそれが卓の向うの、外国人の顔と生き写しであつた。
その途端にどう云ふ拍子か、釘に懸つてゐた十字架がはづれて、かすかな金属の音を立てながら、足もとの敷石の上に落ちた。
彼女は慌しい手を延べて、大切な十字架を拾ひ上げた。
その時何気なく十字架に彫られた、受難の基督の顔を見ると、不思議にもそれが卓の向うの、外国人の顔と生き写しであつた。