芥川龍之介 『南京の基督』 しかし彼女が今ゐる所は、確に天国の町にある、基督の家に違ひなかつた。 金花は時々箸を止めて、卓の周囲を眺めまはした。 が、広い部屋の中には、竜の彫刻のある柱だの、大輪の菊の鉢植ゑだのが、料理の湯気に仄めいてゐる外は、一人も人影は見えなかつた。 芥川龍之介の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア