天国の夢がさめたのは、既に秋の明け方の光が、狭い部屋中にうすら寒く拡がり出した頃であつた。
が、埃臭い帷を垂れた、小舸のやうな寝台の中には、さすがにまだ生暖い仄かな闇が残つてゐた。
そのうす暗がりに浮んでゐる、半ば仰向いた金花の顔は、色もわからない古毛布に、円い括り顋を隠した儘、未に眠い眼を開かなかつた。
天国の夢がさめたのは、既に秋の明け方の光が、狭い部屋中にうすら寒く拡がり出した頃であつた。
が、埃臭い帷を垂れた、小舸のやうな寝台の中には、さすがにまだ生暖い仄かな闇が残つてゐた。
そのうす暗がりに浮んでゐる、半ば仰向いた金花の顔は、色もわからない古毛布に、円い括り顋を隠した儘、未に眠い眼を開かなかつた。