が、埃臭い帷を垂れた、小舸のやうな寝台の中には、さすがにまだ生暖い仄かな闇が残つてゐた。
そのうす暗がりに浮んでゐる、半ば仰向いた金花の顔は、色もわからない古毛布に、円い括り顋を隠した儘、未に眠い眼を開かなかつた。
しかし血色の悪い頬には、昨夜の汗にくつついたのか、べつたり油じみた髪が乱れて、心もち明いた唇の隙にも、糯米のやうに細い歯が、かすかに白々と覗いてゐた。
が、埃臭い帷を垂れた、小舸のやうな寝台の中には、さすがにまだ生暖い仄かな闇が残つてゐた。
そのうす暗がりに浮んでゐる、半ば仰向いた金花の顔は、色もわからない古毛布に、円い括り顋を隠した儘、未に眠い眼を開かなかつた。
しかし血色の悪い頬には、昨夜の汗にくつついたのか、べつたり油じみた髪が乱れて、心もち明いた唇の隙にも、糯米のやうに細い歯が、かすかに白々と覗いてゐた。