おれは菅笠の縁に手をかけちや、今朝四谷から新宿と踏み出して来た江戸の方を、何度振り返つて見たか知れやし無え。
するとおれの旅慣れ無えのが、通りがかりの人目にも、気の毒たらしかつたのに違え無え。
府中の宿をはづれると、堅気らしい若え男が、後からおれに追ひついて、口まめに話しかけやがる。
おれは菅笠の縁に手をかけちや、今朝四谷から新宿と踏み出して来た江戸の方を、何度振り返つて見たか知れやし無え。
するとおれの旅慣れ無えのが、通りがかりの人目にも、気の毒たらしかつたのに違え無え。
府中の宿をはづれると、堅気らしい若え男が、後からおれに追ひついて、口まめに話しかけやがる。