同じ江戸懐しい話をしながら、互に好い道づれを見つけた気でよ、一しよに路を急いで行くと、追つけ日野宿へかからうと云ふ時分に、ちらちら白い物が降り出しやがつた。
独り旅であつて見ねえ。
時刻も彼是七つ下りぢやあるし、この雪空を見上げちや、川千鳥の声も身に滲みるやうで、今夜はどうでも日野泊りと、出かけ無けりやなら無え所だが、いくら懐は寒むさうでも、其処は越後屋重吉と云ふ道づれのある御かげ様だ。
同じ江戸懐しい話をしながら、互に好い道づれを見つけた気でよ、一しよに路を急いで行くと、追つけ日野宿へかからうと云ふ時分に、ちらちら白い物が降り出しやがつた。
独り旅であつて見ねえ。
時刻も彼是七つ下りぢやあるし、この雪空を見上げちや、川千鳥の声も身に滲みるやうで、今夜はどうでも日野泊りと、出かけ無けりやなら無え所だが、いくら懐は寒むさうでも、其処は越後屋重吉と云ふ道づれのある御かげ様だ。