おれはその間に草鞋をはいて、さて一服吸ひつけたが、見りやあの胡麻の蠅は、もう御神酒がまはつたと見えて、小鬢の禿まで赤くしながら、さすがにちつとは恥しいのか、なるべくおれの方を見無えやうに、側眼ばかり使つてゐやがる。
その見すぼらしい容子を見ると、おれは今更のやうにあの野郎が可哀さうにもなつて来たから、
「おい、越後屋さん。
おれはその間に草鞋をはいて、さて一服吸ひつけたが、見りやあの胡麻の蠅は、もう御神酒がまはつたと見えて、小鬢の禿まで赤くしながら、さすがにちつとは恥しいのか、なるべくおれの方を見無えやうに、側眼ばかり使つてゐやがる。
その見すぼらしい容子を見ると、おれは今更のやうにあの野郎が可哀さうにもなつて来たから、
「おい、越後屋さん。