頓死する四五日前、彼が焼酎を飲んでゐると、池の向うにある洗心亭へ、白い装束をした公卿が一人、何度も出たりはひつたりしてゐた。
少くとも彼には昼日なか、そんな幻が見えたのだつた。
翌年は次男が春の末に、養家の金をさらつたなり、酌婦と一しよに駈落ちをした。
頓死する四五日前、彼が焼酎を飲んでゐると、池の向うにある洗心亭へ、白い装束をした公卿が一人、何度も出たりはひつたりしてゐた。
少くとも彼には昼日なか、そんな幻が見えたのだつた。
翌年は次男が春の末に、養家の金をさらつたなり、酌婦と一しよに駈落ちをした。