ああ云ふ妙に男ぶりの好い、でつぷり肥つた渡し守は古往今来隅田川に舟などを漕いでゐた筈はない。
しかもその堂堂とした渡し守を不調和とも何とも感じないのは丁度歌舞伎の火入りの月を不調和と感じないのも同じことである。
能は歌舞伎よりも又一層写実の世界にこだはつてゐない。
ああ云ふ妙に男ぶりの好い、でつぷり肥つた渡し守は古往今来隅田川に舟などを漕いでゐた筈はない。
しかもその堂堂とした渡し守を不調和とも何とも感じないのは丁度歌舞伎の火入りの月を不調和と感じないのも同じことである。
能は歌舞伎よりも又一層写実の世界にこだはつてゐない。