僕は中学を卒業しない前に国木田独歩の作品を読み、なんでも「電報」とかいう短篇にやはりこういう感激を描いてあるのを発見した。
「皇国の興廃この一挙にあり」云々の信号を掲げたということはおそらくはいかなる戦争文学よりもいっそう詩的な出来事だったであろう。
しかし僕は十年ののち、海軍機関学校の理髪師に頭を刈ってもらいながら、彼もまた日露の戦役に「朝日」の水兵だった関係上、日本海海戦の話をした。
僕は中学を卒業しない前に国木田独歩の作品を読み、なんでも「電報」とかいう短篇にやはりこういう感激を描いてあるのを発見した。
「皇国の興廃この一挙にあり」云々の信号を掲げたということはおそらくはいかなる戦争文学よりもいっそう詩的な出来事だったであろう。
しかし僕は十年ののち、海軍機関学校の理髪師に頭を刈ってもらいながら、彼もまた日露の戦役に「朝日」の水兵だった関係上、日本海海戦の話をした。