翌九日は、ひき明け方より大雨にて、村内一時は人通も絶え候所、卯時ばかりに、篠、傘をも差さず、濡鼠の如くなりて、私宅へ参り、又々検脈致し呉れ候様、頼み入り候間、私申し候は、「長袖ながら、二言は御座無く候。
然れば、娘御の命か、泥烏須如来か、何れか一つ御棄てなさるる分別肝要と存じ候。
斯様申し聞け候へば、篠、此度は狂気の如く相成り、私前に再三額づき又は手を合せて拝みなど致し候うて、「仰せ千万御尤もに候。
翌九日は、ひき明け方より大雨にて、村内一時は人通も絶え候所、卯時ばかりに、篠、傘をも差さず、濡鼠の如くなりて、私宅へ参り、又々検脈致し呉れ候様、頼み入り候間、私申し候は、「長袖ながら、二言は御座無く候。
然れば、娘御の命か、泥烏須如来か、何れか一つ御棄てなさるる分別肝要と存じ候。
斯様申し聞け候へば、篠、此度は狂気の如く相成り、私前に再三額づき又は手を合せて拝みなど致し候うて、「仰せ千万御尤もに候。