なれどもころび候実証無之候へば、右証明を立つ可き旨、申し聞け候所、篠、無言の儘、懐中より、彼くるすを取り出し、玄関式台上へ差し置き候うて、静に三度まで踏み候。
其節は格別取乱したる気色も無之、涙も既に乾きし如く思はれ候へども、足下のくるすを眺め候眼の中、何となく熱病人の様にて、私方下男など、皆々気味悪しく思ひし由に御座候。
扨、私申し条も相立ち候へば、即刻下男に薬籠を担はせ、大雨の中を、篠同道にて、同人宅へ参り候所、至極手狭なる部屋に、里独り、南を枕にして打臥し居り候。
なれどもころび候実証無之候へば、右証明を立つ可き旨、申し聞け候所、篠、無言の儘、懐中より、彼くるすを取り出し、玄関式台上へ差し置き候うて、静に三度まで踏み候。
其節は格別取乱したる気色も無之、涙も既に乾きし如く思はれ候へども、足下のくるすを眺め候眼の中、何となく熱病人の様にて、私方下男など、皆々気味悪しく思ひし由に御座候。
扨、私申し条も相立ち候へば、即刻下男に薬籠を担はせ、大雨の中を、篠同道にて、同人宅へ参り候所、至極手狭なる部屋に、里独り、南を枕にして打臥し居り候。