芥川龍之介 『老いたる素戔嗚尊』 何人か妻があつたとは云へ、彼が彼自身のやうに愛してゐたのは、やはり彼女一人だけであつた。 だから彼は喪屋が出来ると、まだ美しい妻の死骸の前に、七日七晩坐つた儘、黙然と涙を流してゐた。 宮の中はその間、慟哭の声に溢れてゐた。 芥川龍之介の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア