芥川龍之介 『老いたる素戔嗚尊』 しかし姿だけは依然として、櫛名田姫の面影を止めた、気高い美しさを失はなかつた。 宮のまはりにある椋の林は、何度となく芽を吹いて、何度となく又葉を落した。 其度に彼は髯だらけの顔に、愈皺の数を加へ、須世理姫は始終微笑んだ瞳に、益涼しさを加へて行つた。 芥川龍之介の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア