鹿の皮を剥ぎ終つた彼が、宮の中へ帰つたのは、もう薄暗い時分であつた。
彼は広い階段を上ると、何時もの通り何気なく、大広間の戸口に垂れてゐる、白い帷を掲げて見た。
すると須世理姫と葦原醜男とが、まるで塒を荒らされた、二羽の睦じい小鳥のやうに、倉皇と菅畳から身を起した。
鹿の皮を剥ぎ終つた彼が、宮の中へ帰つたのは、もう薄暗い時分であつた。
彼は広い階段を上ると、何時もの通り何気なく、大広間の戸口に垂れてゐる、白い帷を掲げて見た。
すると須世理姫と葦原醜男とが、まるで塒を荒らされた、二羽の睦じい小鳥のやうに、倉皇と菅畳から身を起した。