が、たとひ剣を抜いた所が、彼が一匹斬る内には、もう一匹が造作なく彼を巻き殺すのに違ひなかつた。
いや、現に一匹の大蛇が、彼の顔を下から覗きこむと、それより更に大きい一匹は、梁に尾をからんだ儘、ずるりと宙に吊り下つて、丁度彼の肩の上へ、鎌首をさしのべてゐるのであつた。
室の扉は勿論開かなかつた。
が、たとひ剣を抜いた所が、彼が一匹斬る内には、もう一匹が造作なく彼を巻き殺すのに違ひなかつた。
いや、現に一匹の大蛇が、彼の顔を下から覗きこむと、それより更に大きい一匹は、梁に尾をからんだ儘、ずるりと宙に吊り下つて、丁度彼の肩の上へ、鎌首をさしのべてゐるのであつた。
室の扉は勿論開かなかつた。