その内に素戔嗚は、昨夕寝なかつた疲れが出て、我知らずにうとうと眠にはひつた。
……高天原の国を逐はれた素戔嗚は、爪を剥がれた足に岩を踏んで、嶮しい山路を登つてゐた。
岩むらの羊歯、鴉の声、それから冷たい鋼色の空、――彼の眼に入る限りの風物は、悉く荒涼それ自身であつた。
その内に素戔嗚は、昨夕寝なかつた疲れが出て、我知らずにうとうと眠にはひつた。
……高天原の国を逐はれた素戔嗚は、爪を剥がれた足に岩を踏んで、嶮しい山路を登つてゐた。
岩むらの羊歯、鴉の声、それから冷たい鋼色の空、――彼の眼に入る限りの風物は、悉く荒涼それ自身であつた。