共同風呂のまん中には「独鈷の湯」の名前を生じた、大きい石の独鈷があります。
半之丞はこの独鈷の前にちゃんと着物を袖だたみにし、遺書は側の下駄の鼻緒に括りつけてあったと言うことです。
何しろ死体は裸のまま、温泉の中に浮いていたのですから、若しその遺書でもなかったとすれば、恐らくは自殺かどうかさえわからずにしまったことでしょう。
共同風呂のまん中には「独鈷の湯」の名前を生じた、大きい石の独鈷があります。
半之丞はこの独鈷の前にちゃんと着物を袖だたみにし、遺書は側の下駄の鼻緒に括りつけてあったと言うことです。
何しろ死体は裸のまま、温泉の中に浮いていたのですから、若しその遺書でもなかったとすれば、恐らくは自殺かどうかさえわからずにしまったことでしょう。