彼はただ、春風の底に一脈の氷冷の気を感じて、何となく不愉快になっただけである。
しかし、内蔵助の笑わなかったのは、格別二人の注意を惹かなかったらしい。
いや、人の好い藤左衛門の如きは、彼自身にとってこの話が興味あるように、内蔵助にとっても興味があるものと確信して疑わなかったのであろう。
彼はただ、春風の底に一脈の氷冷の気を感じて、何となく不愉快になっただけである。
しかし、内蔵助の笑わなかったのは、格別二人の注意を惹かなかったらしい。
いや、人の好い藤左衛門の如きは、彼自身にとってこの話が興味あるように、内蔵助にとっても興味があるものと確信して疑わなかったのであろう。