――こう云う不快な事実と向いあいながら、彼は火の気のうすくなった火鉢に手をかざすと、伝右衛門の眼をさけて、情なさそうにため息をした。
それから何分かの後である。
厠へ行くのにかこつけて、座をはずして来た大石内蔵助は、独り縁側の柱によりかかって、寒梅の老木が、古庭の苔と石との間に、的皪たる花をつけたのを眺めていた。
――こう云う不快な事実と向いあいながら、彼は火の気のうすくなった火鉢に手をかざすと、伝右衛門の眼をさけて、情なさそうにため息をした。
それから何分かの後である。
厠へ行くのにかこつけて、座をはずして来た大石内蔵助は、独り縁側の柱によりかかって、寒梅の老木が、古庭の苔と石との間に、的皪たる花をつけたのを眺めていた。