厠へ行くのにかこつけて、座をはずして来た大石内蔵助は、独り縁側の柱によりかかって、寒梅の老木が、古庭の苔と石との間に、的皪たる花をつけたのを眺めていた。
日の色はもううすれ切って、植込みの竹のかげからは、早くも黄昏がひろがろうとするらしい。
が、障子の中では、不相変面白そうな話声がつづいている。
厠へ行くのにかこつけて、座をはずして来た大石内蔵助は、独り縁側の柱によりかかって、寒梅の老木が、古庭の苔と石との間に、的皪たる花をつけたのを眺めていた。
日の色はもううすれ切って、植込みの竹のかげからは、早くも黄昏がひろがろうとするらしい。
が、障子の中では、不相変面白そうな話声がつづいている。