ことに時刻がおそければおそいほど、渡し船のさびしさとうれしさとがしみじみと身にしみる。
――低い舷の外はすぐに緑色のなめらかな水で、青銅のような鈍い光のある、幅の広い川面は、遠い新大橋にさえぎられるまで、ただ一目に見渡される。
両岸の家々はもう、たそがれの鼠色に統一されて、その所々には障子にうつるともしびの光さえ黄色く靄の中に浮んでいる。
ことに時刻がおそければおそいほど、渡し船のさびしさとうれしさとがしみじみと身にしみる。
――低い舷の外はすぐに緑色のなめらかな水で、青銅のような鈍い光のある、幅の広い川面は、遠い新大橋にさえぎられるまで、ただ一目に見渡される。
両岸の家々はもう、たそがれの鼠色に統一されて、その所々には障子にうつるともしびの光さえ黄色く靄の中に浮んでいる。