茶の間には長火鉢の上の柱に、ある毛糸屋の広告を兼ねた、大きな日暦が懸っている。
――そこに髪を切った浅川の叔母が、しきりと耳掻きを使いながら、忘れられたように坐っていた。
それが洋一の足音を聞くと、やはり耳掻きを当てがったまま、始終爛れている眼を擡げた。
茶の間には長火鉢の上の柱に、ある毛糸屋の広告を兼ねた、大きな日暦が懸っている。
――そこに髪を切った浅川の叔母が、しきりと耳掻きを使いながら、忘れられたように坐っていた。
それが洋一の足音を聞くと、やはり耳掻きを当てがったまま、始終爛れている眼を擡げた。