中庭には太い冬青の樹が一本、手水鉢に臨んでいるだけだった。
麻の掻巻をかけたお律は氷嚢を頭に載せたまま、あちら向きにじっと横になっていた。
そのまた枕もとには看護婦が一人、膝の上にひろげた病床日誌へ近眼の顔をすりつけるように、せっせと万年筆を動かしていた。
中庭には太い冬青の樹が一本、手水鉢に臨んでいるだけだった。
麻の掻巻をかけたお律は氷嚢を頭に載せたまま、あちら向きにじっと横になっていた。
そのまた枕もとには看護婦が一人、膝の上にひろげた病床日誌へ近眼の顔をすりつけるように、せっせと万年筆を動かしていた。