洋一は唐物屋の前まで来ると、飾り窓を後に佇みながら、大通りを通る人や車に、苛立たしい視線を配り始めた。
が、しばらくそうしていても、この問屋ばかり並んだ横町には、人力車一台曲らなかった。
たまに自動車が来たと思えば、それは空車の札を出した、泥にまみれているタクシイだった。
洋一は唐物屋の前まで来ると、飾り窓を後に佇みながら、大通りを通る人や車に、苛立たしい視線を配り始めた。
が、しばらくそうしていても、この問屋ばかり並んだ横町には、人力車一台曲らなかった。
たまに自動車が来たと思えば、それは空車の札を出した、泥にまみれているタクシイだった。