慎太郎は誰よりずっと後に、暗い梯子を下りながら、しみじみ万事休すと云う心もちを抱かずにはいられなかった。
戸沢やお絹の夫が帰ってから、和服に着換えた慎太郎は、浅川の叔母や洋一と一しょに、茶の間の長火鉢を囲んでいた。
襖の向うからは不相変、お律の唸り声が聞えて来た。
慎太郎は誰よりずっと後に、暗い梯子を下りながら、しみじみ万事休すと云う心もちを抱かずにはいられなかった。
戸沢やお絹の夫が帰ってから、和服に着換えた慎太郎は、浅川の叔母や洋一と一しょに、茶の間の長火鉢を囲んでいた。
襖の向うからは不相変、お律の唸り声が聞えて来た。