神聖な感動に充ち満ちた神父はそちらこちらを歩きながら、口早に基督の生涯を話した。
衆徳備り給う処女マリヤに御受胎を告げに来た天使のことを、厩の中の御降誕のことを、御降誕を告げる星を便りに乳香や没薬を捧げに来た、賢い東方の博士たちのことを、メシアの出現を惧れるために、ヘロデ王の殺した童子たちのことを、ヨハネの洗礼を受けられたことを、山上の教えを説かれたことを、水を葡萄酒に化せられたことを、盲人の眼を開かれたことを、マグダラのマリヤに憑きまとった七つの悪鬼を逐われたことを、死んだラザルを活かされたことを、水の上を歩かれたことを、驢馬の背にジェルサレムへ入られたことを、悲しい最後の夕餉のことを、橄欖の園のおん祈りのことを、………
神父の声は神の言葉のように、薄暗い堂内に響き渡った。