芥川龍之介 『お富の貞操』 茶の間は台所に比べれば、勿論一層薄暗かつた。 が、立ち退いた跡と云ふ条、取り残した茶箪笥や長火鉢は、その中にもはつきり見る事が出来た。 新公は其処に佇んだ儘、かすかに汗ばんでゐるらしい、お富の襟もとへ目を落した。 芥川龍之介の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア