お富はふと目を挙げた。
その時丁度さしかかつた、二頭立ちの馬車の中には、新公が悠々と坐つてゐた。
新公が、――尤も今の新公の体は、駝鳥の羽根の前立だの、厳めしい金モオルの飾緒だの、大小幾つかの勲章だの、いろいろの名誉の標章に埋まつてゐるやうなものだつた。
お富はふと目を挙げた。
その時丁度さしかかつた、二頭立ちの馬車の中には、新公が悠々と坐つてゐた。
新公が、――尤も今の新公の体は、駝鳥の羽根の前立だの、厳めしい金モオルの飾緒だの、大小幾つかの勲章だの、いろいろの名誉の標章に埋まつてゐるやうなものだつた。